FAQ
DocuSignとは?どんなことができるサービスですか?
DocuSign(ドキュサイン)は、契約書や申込書などの文書をオンラインで送信し、相手に電子署名(eSignature)してもらうためのサービスです。紙の印刷・押印・郵送を減らしつつ、署名の手順を標準化し、やり取りの履歴(監査証跡)を残しながら契約締結までをスムーズに進められます。
複数の書類や複数名の署名者がいるケースでも、署名順序の指定、リマインド設定、期限切れ(失効)などをまとめて管理でき、業務フローの「遅い・抜ける・戻る」を減らせるのが特徴です。
電子署名は法的に有効ですか?日本でも使えますか?
電子署名は多くの国・地域で法的に認められており、日本でも電子署名を扱う法律の枠組みが整備されています。一般に、電子署名で締結した契約は、紙の書面で締結した契約と同等の効力を持ち得ます。
ただし「どの契約でも必ず電子で完結できる」わけではありません。契約の種類、業界ルール、社内規程、取引先の要件によって、求められる本人確認の強度や署名方式が変わる場合があります。迷う場合は、法務・コンプライアンス担当と「対象契約」「リスク」「必要な本人確認レベル」をセットで確認すると安心です。
DocuSignでよく聞く「エンベロープ(Envelope)」とは何ですか?
エンベロープは、署名のために送信する文書一式を入れる「安全な電子の封筒」のような概念です。1つのエンベロープに複数文書を同梱でき、受領者も複数設定できます。
署名依頼を送った回数や処理量は、プランによって「エンベロープ数」などの形で管理されることがあります。契約運用を見積もるときは、月あたりの送信件数と、1件あたりの署名者人数・文書数を整理しておくと選定がスムーズです。
相手(署名者)はDocuSignのアカウントが必要ですか?
多くのケースで、署名者はDocuSignの有料アカウントを持っていなくても署名できます。送信者から届く署名依頼の案内に沿って、ブラウザやスマホで手続きを進められます。
一方で、送信者側が追加の本人確認(アカウントログイン必須など)を設定している場合や、特定の規制要件に沿った設定が必要な文書では、署名者に追加手順が求められることがあります。
署名はスマホだけで完結しますか?アプリは必要ですか?
スマホのブラウザでも署名フローを進められる設計になっているため、アプリが必須ではないケースが一般的です。署名位置の誘導や入力フィールドの案内などが表示され、画面の指示に従って操作できます。
社内利用で「通知を確実に受けたい」「複数案件をまとめて管理したい」などの理由がある場合は、運用に応じてアプリ利用も検討するとよいでしょう。
DocuSignはどんなファイル形式に対応していますか?PDF以外も送れますか?
PDFはもちろん、Word、Excel、PowerPoint、画像など、さまざまな形式のファイルを署名用文書として送信できる設計です。アップロードされた文書は、送信・保管のために扱いやすい形式へ変換されることがあります。
注意点として、パスワード保護(暗号化)されたファイルは、そのままだとエンベロープに追加できない場合があります。社内のセキュリティ方針に沿って、アップロード前に保護設定の扱いを整理してください。
署名依頼を送る基本手順は?初心者がつまずきやすいポイントは?
基本の流れは次のとおりです。
文書をアップロードする(複数可)
受領者(署名者・閲覧者など)を追加し、署名順序が必要なら順番を設定する
署名欄、日付、氏名、住所、チェックボックスなどのフィールドを配置する
件名・メッセージを整えて送信する
つまずきやすいのは「誰がどこに署名するか」の設計です。署名者が複数いる場合、署名欄を置き間違えると差し戻しや再送の原因になります。テンプレート化(後述)しておくと、同じ種類の契約でのミスが激減します。
署名者が「メールが届かない」と言っています。よくある原因は?
よくある原因は次のとおりです。
迷惑メールフォルダやセキュリティ隔離に入っている
受信ドメイン制限(許可リスト)でブロックされている
宛先メールアドレスの入力ミス
社内のメールゲートウェイで添付や特定文言が検知されている
企業宛てで多いのはドメイン許可の問題です。取引先が厳格なフィルタを使っている場合、事前にIT部門へ「DocuSignからの通知を受け取る」設定を依頼すると解決が早いことがあります。
署名者の本人確認はどこまでできますか?
文書の重要度に応じて、署名者に追加の本人確認を求める設定を組み合わせるのが一般的です。代表的な方法として、アクセスコード、SMS/電話によるワンタイムコード、知識ベースの確認、身分証確認(ID Verification)などがあります。
「手間を減らしたい」だけで弱い設定にすると、後から「本当に本人が署名したのか?」という争点が生まれやすくなります。逆に強すぎる本人確認は、署名完了率を下げます。契約のリスクと相手の負担のバランスで設計するのがプロのやり方です。
改ざん防止や証拠性はどう担保されますか?「監査証跡」とは?
DocuSignでは、署名プロセスに関する取引データ(監査証跡)が蓄積され、署名の流れを第三者的に検証できる形で残る設計です。一般に、誰が、いつ、どのように署名したかを示す情報(タイムスタンプ、認証方法、アクセス情報など)が含まれます。
署名後の文書には、完了証明(Certificate of Completion)として、署名プロセスの証拠情報がまとめられることがあります。万一の紛争時に「手続きの正当性」を説明する材料になるため、電子署名運用では重要な要素です。
セキュリティは大丈夫ですか?どんな基準に準拠していますか?
DocuSignは、セキュリティとコンプライアンスの取り組みとして、SOCやISO 27001などの業界標準に沿った監査・認証の枠組みを掲げています。データセンターやアクセス管理、暗号化、監査など、複数層での防御を前提に設計されているのが一般的です。
実務で大切なのは「サービスが安全か」だけではなく、「自社の設定が安全か」です。たとえば、送信者権限の管理、二要素認証の運用、テンプレートや共有機能の権限制御、誤送信防止のプロセスなど、運用面の設計も合わせて整えると事故が起きにくくなります。
テンプレートは何のために使いますか?どんな人に向いていますか?
テンプレートは、よく使う契約書や申込書の「受領者」「署名順序」「入力フィールド配置」「通知文面」などをひな形として再利用する機能です。毎回同じ契約をゼロから作る必要がなくなり、設定ミスや差し戻しが減ります。
特に向いているのは、次のようなケースです。
同じ種類の契約を毎月・毎週のように送る(NDA、業務委託、雇用関連など)
署名者が複数で、署名位置が複雑になりがち
入力項目が多く、抜け漏れが発生しやすい
PowerForms(パワーフォーム)とは?通常の送信と何が違いますか?
PowerFormsは、テンプレートをもとに「相手が自分のタイミングで開いて署名できる」セルフサービス型の仕組みです。送信者が相手のメールアドレスを事前に指定して送るのではなく、所定の方法でアクセスしてもらい、その場で入力・署名してもらう用途に向きます。
たとえば、会員登録、資料請求、同意書、来店前の事前確認など、フォーム型の手続きをオンラインで回したい場面で使われます。運用時は、誰でもアクセスできる形にしない工夫(配布方法、追加認証、利用範囲の設計)が重要です。
署名の順番(順次署名)や同時署名は設定できますか?
複数の受領者がいる場合、署名の順番を指定して「Aが署名したらBへ回る」ようにするか、または「全員へ同時に依頼する」かを運用に合わせて設計できます。
稟議が必要な契約では、まず社内承認者→その後に取引先、という順次署名がよく使われます。一方、同意書のように複数人から同時に回収したい場合は同時送信が効率的です。
署名依頼を送った後に、文書や受領者情報を修正できますか?
送信後でも、状況によっては受領者情報の修正やフィールドの調整などが可能な場合があります。ただし、すでに署名が進んでいる段階では制約が増えることが多く、手戻りが発生することもあります。
実務では、送信前チェックリスト(宛先、文書版数、署名位置、期限、本人確認レベル)を用意して「送ってから直す」頻度を減らすのが効果的です。
リマインド(催促)や期限切れは設定できますか?
署名が止まりやすいボトルネックを減らすため、リマインド通知や期限(締切)の設定を活用できます。自動リマインドにしておくと、担当者が個別に催促メールを書く手間が減り、回収スピードが安定します。
期限切れを使う場合は、相手の業務事情(決裁の遅れ、長期休暇など)も考慮して、過度に短い期限を設定しないのが現実的です。
DocuSignで「署名」「イニシャル」「日付」「チェック」などの入力はどう扱いますか?
DocuSignでは、署名欄だけでなく、日付、氏名、会社名、住所、チェックボックス、選択式の項目など、さまざまな入力フィールドを配置できます。契約の種類によっては「署名だけ取れても、必要項目が未記入で無効になる」ケースがあるため、必須項目の設計が重要です。
入力のしやすさは完了率に直結します。スマホ署名が多い相手には、フィールド数を絞り、入力順に誘導される配置にしておくと離脱が減ります。
署名完了後の文書はどこで確認できますか?ダウンロードや共有はできますか?
送信者側は、管理画面からエンベロープのステータス(送信済み、閲覧、署名完了、期限切れなど)を確認し、完了後の文書を取得できます。多くの運用では、完了版の保管先(社内ストレージ、契約管理システム)を決めておき、保管ルールを統一します。
「どの版が正本か」を曖昧にしないために、完了版の命名規則、保管場所、閲覧権限、保管期間をセットで決めておくと監査対応もスムーズです。
署名者側でよくあるエラー:アクセスコードが通らない/SMSが届かない
アクセスコード方式は、送信者が別経路で共有したコードを入力して署名に進む仕組みです。通らない場合は、全角・半角や余計な空白、コピー時の改行混入などが原因になりがちです。
SMS/電話のワンタイムコードが届かない場合は、番号の形式(国番号の扱い)、通信キャリアの迷惑SMS設定、圏外や通話制限などが影響することがあります。署名者が法人端末の場合、端末ポリシーでSMS受信が制限されているケースもあるため、別の本人確認方式へ切り替える判断も重要です。
料金やプランはどう考えればいいですか?「席(シート)」と「送信量」の違いは?
DocuSignのプラン設計では、主に「送信する人の数(席・シート)」と「処理する量(エンベロープ数などの利用枠)」の考え方が関わります。署名するだけの相手は、通常は席を追加しなくても対応できることが多い一方、社内で送信・管理する担当者が増えると席が必要になります。
まずは、次の3点を棚卸しすると失敗しにくいです。
月あたりの送信件数(エンベロープ数の目安)
送信担当者の人数(部署ごとか、集中管理か)
必要な機能(テンプレート運用、本人確認強化、PowerForms、API連携など)
無料トライアルはありますか?試すときのコツは?
DocuSignはプランや地域によって、試用(トライアル)を案内している場合があります。試すときは、単に「署名できた」で終わらせず、実運用に近いシナリオで検証すると判断が速くなります。
社内承認→取引先署名の順次署名を再現する
テンプレートを作って2回目の送信がどれだけ楽になるか確認する
本人確認(SMSなど)の負担と完了率を比較する
完了版の保管・命名・社内共有までの流れを決める
API連携はできますか?どんな用途で使われますか?
DocuSignはeSignatureのREST APIを提供しており、自社システムや業務アプリに署名フローを組み込むことができます。たとえば、見積から契約書生成→送信→署名状況の取得→社内DB更新、のように一連の手続きを自動化できます。
API利用では、まず認証(アクセストークン取得)を行い、そのトークンを使ってリクエストを送ります。開発・運用では、権限設計(誰が何を送れるか)、ログ管理、障害時のリトライ、環境分離(検証と本番)などが品質を左右します。
個人情報や機密情報を扱う場合の注意点は?
機密性の高い契約ほど、「誰が見られるか」「どこに保管されるか」「どの証跡が残るか」を明確にしておく必要があります。実務上のポイントは次のとおりです。
文書ごとに閲覧制限を設計し、不要な人に見せない
送信者の権限を最小限にし、二要素認証などを運用で徹底する
完了版の保管先とアクセス権限を社内ルール化する
本人確認の強度を契約リスクに合わせて選ぶ
相手が「署名はしたのに完了にならない」と言っています。何が起きていますか?
よくあるのは、次のパターンです。
受領者が複数いて、まだ別の人の署名が残っている
入力必須フィールドが未入力で、最終完了まで進めていない
「閲覧者」や「承認者」など署名以外のアクションが残っている
署名者の体感としては「サインを書いた=終わった」になりがちです。完了画面まで到達したか、最後に「完了」相当の操作が必要だったかを確認し、必要に応じて再度案内すると解決しやすいです。
社内での運用を安定させるための定番ルールはありますか?
FAQとして特に問い合わせが多いのは「誰が送るか」「どのテンプレートを使うか」「保管はどこか」「本人確認はどれか」です。運用を安定させるなら、次の4点を最初に決めるのが定番です。
送信権限と承認フロー(誤送信を防ぐ)
テンプレート管理者と更新ルール(版ズレを防ぐ)
完了版の保管場所・命名規則・保管期間(探せないを防ぐ)
契約種別ごとの本人確認レベル(強すぎ・弱すぎを防ぐ)
DocuSignを使うときに「やってはいけない」典型例は?
署名欄の位置がズレたまま送ってしまう(差し戻しの最大原因)
受領者メールアドレスの確認を省略する(誤送信リスク)
重要契約なのに本人確認を弱く設定する(後から争点化しやすい)
完了版の保管が人任せで、監査時に追えない(統制不備になりやすい)
電子署名は便利ですが、「設計」と「運用」を雑にすると、紙よりも速く事故が起きます。よくある質問を先回りして、テンプレート化とルール化でミスを潰すのが近道です。